JAGUAR XJ-S

かさ,さかさま,片翼の堕天使,アンバランスなイキモノ, 野放しのまま生きる.

白いビニール傘で二人腕を組み,JAGUAR XJ-Sに乗り込むキミ.

パワーブロックは雨に濡れ,ガソリンはそのままキミの殺意と化した. アクセルを踏むごとにレブカウンターには情欲が浮かんでは消え, トリップメーターには孤独までのディスタンスが刻まれた.

欲望は乱雑に後部座席へ放りだされ, 僕たちは時間を歪めて貪りあった. 革張りのシートが行方のない愛を吸い込み, オルガスムスに到達したとき,キミは憎しみをあらわにした.

僕たちは摩耗したタイヤで旅を続けているだけだった. 入り口は在っても出口は無かった.

HATE YOU…

キミは愛していたんじゃない. いつだって愛を試していたんだ.