身の回りで起こっている運動がニュートンの運動法則によってどのように説明できるのか

加速度運動を考える

 自動車はタイヤが地面を蹴り続けることによって進む. 自動車に加わる力が一定だとすると,速度はある時間が経つたびに 時速20キロメートル,時速40キロメートル,時速60キロメートルと速くなっていく. 一定の力が加わっているとき物体の速度は一定の変化をしつづける. このような速度の変化の割合のことを加速度という. 私は車椅子に乗るが,車椅子を押してもらおうとするとき, 私は止まっていたいので,押される力を感じて,必至に体が後ろに引っ張られる. これは慣性力の力だろうと思う.乗っているものが加速度運動をしているときだけ生じる見かけの力だという. 摩擦がなければ歩くことも出来ないという. カーリングのストーン(球)はつるつるの氷面でも進むし,また止まることも出来る. 摩擦力によって運動しているのである. またベランダから洗濯ばさみを落としてみると,洗濯ばさみも重い布団ばさみも同じ加速度で落下する. アリストテレスは重いものほど速く落ちると考えたが,ガリレオが異を唱えた. ほかにもテニスのサーブを高い場所から打ったとして, 異なる場所に同じ速さで打ったとしたら着地寸前のテニスボールの速さはどれが速くなるのか. この着地寸前のボールはどれも同じ速さになる. ボールの持つエネルギーは主に二種類.運動エネルギーと位置エネルギーである.

剛速球を投げる

 私は野球がとても好きだが,誰でも剛速球が投げられるという記事を読んだ. 時速100キロの電車に乗り,電車の中の人から見て右に時速100キロでボールを投げると 電車の外で静止している人からはどう見えるのかというものだ. ボールの時速100キロの右向き矢印と電車の時速100キロの右向き矢印の足し算をすればわかり, 静止している人から見たボールの速度は右向きに時速200キロにもなる. プロの投手でも投げられない剛速球が速度の足し算をすれば簡単に投げられる. また作用反作用の法則は運動の第三法則ともよばれ,あらゆる力において成り立つ. 私がタンスを押して動かしたとき,私もタンスに押されているし, こぶしで壁を殴れば私の手は壁から同じ強さを受けて手を痛めてしまう. 先日,飛行機に乗ってエアポケットに遭遇し,体が浮いた.あれは何の力だったのだろうか. やはり慣性の法則だろうか.慣性の法則は物体に何も力がかかっていないとき, その物体はずっと同じ運動を続けようとするというものである. 飛行機の外から見た場合,飛行機が急降下しても,自分の体にかかる力は変化しないので, 自分の体は飛行機が急降下する前と同じ速度で運動を続けようとする. ところが,飛行機は急降下により速度を変化させるので,飛行機の中に居る人にとっては, 相対的に飛行機から浮いているように感じるのである.似たような現象の例として, 電車に乗っているとき,電車が突然ブレーキをかけようとすると, 前に倒れそうになるがこれも,自分がブレーキをかける前のスピードで運動しようとするために起こるもので, 同じように説明がつく.

ISSと運動第二法則

 ところで質量については無重力の宇宙空間での体重測定が驚かされた. 金井宇宙飛行士は体重測定の際に,ちぢんだばねの上に乗り, ばねが生み出す力と乗った人が動くときの加速度がわかれば質量が計算できるという方法で,体重を測定したのだ. 作用反作用の力によって地球も月に振り回され続けているという. 私は物理学を学ぶのは初めてであったが,非常に学びたかった学問であり, その機会を与えられたことが嬉しくてならない.月にうさぎはいるだろうか. 万有引力によって月がつなぎ止められている限り,私もまだまだ夢を見られそうだ.